ライバルに差をつける!アイトラッキングの基礎知識

こんにちは、WEBマーケティング事業部の難波です。

人間は五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を通じて情報を取得します。

中でも、視覚は重要で、

メラビアンの法則(視覚情報55%、聴覚情報38%、言語情報7%)

「人は見た目が9割」(竹内一郎著、新潮新書)

といったものがよく知られております。

しかし、重要性について異論は少ないものの、どの程度重要か論者によって異なる、限られた場合に適用可能な法則である、社会的な経験知がベースになっている等の問題もあり、さらなる検証が求められてきました。

近年、「アイトラッキング(眼球追跡)」技術の進化により、そうした検証が可能になってきています。

また、アイトラッキングが契機となり、VR(仮想現実)、IOT(モノのインターネット)等の新しい分野も次々に開拓されております。

この記事では、「ライバルに差をつけられる!アイトラッキングの基礎知識」について述べて参ります。

ライバルに差をつける!アイトラッキングの基礎知識

 「アイトラッキング(Eye Tracking)」とは?

アイ(Eye)は眼球、トラッキング(Tracking)は追跡を意味する英単語で、直訳すると、

「眼球の追跡」という意味になります。

当然、目的があっての追跡であり、

眼球の動作(視線)の追跡→データ蓄積→解析→商品・サービスへの反映

といったプロセスを経ることが多いようです。

WEB業界で「視線追跡」というと、「ヒートマップ」を連想される方も多いと思います。

確かに、専用のタグを設置し、ヒートマップを導入すれば、WEBサイトを訪れたユーザーが見ているポイントを色別に階層化し、行動の履歴をかなり把握することができます。

しかし、それはあくまで、ユーザーのクリックという行為を踏まえた解析結果であり、眼球の動きとの近似性がある程度認められるものの、基本的には全く別個のものです。

「眼球を通じた視線の動きそのもの」の調査・解析こそ、アイトラッキングなのです。

アイトラッキングの手法

視線の動きの調査・解析の手法についても、技術の進化により、目覚ましい変化が生じております。

初期段階では、被験者に専用のゴーグルや頭を固定する装置等を装着する必要性がありました。

「装置の装着」という非日常下での実験ですので、物理的・心理的な諸条件が新たに加わり、「ユーザーが日頃、どのような視線行動をしているのか」を再現しているとはどうしても評しにくいものになります。

ここ数年では、赤外線を利用して、被験者の視線を補足する手法が多く採られているようです。

身体に悪影響を及ぼさない程度の微弱な赤外線を被験者に当て、赤外線センサーでその視線をキャッチするといったものです。

特にゴーグル等の装置を装着する必要はなく、まさに今あなたがこのサイトを閲覧しているような日常の視線行動を追跡し、データとして記録します。

これにより、まばたきの頻度、画面との遠近感といった微細なデータも取得可能になってきているのです。

アイトラッキングの効果

アイトラッキングを実施することで、どういったことがわかるのでしょうか。

これは、身近な例で考えるとわかりやすいかもしれません。

ここに、「同じクラスの女子学生Bさんのことを好きな男子学生A君」がいるとします。

彼は、教室での授業中、彼女が黒板に顔を向け、ノートに顔を落とし、板書をするまでの一部始終を何度も見たりします。

また、全校集会や登下校など、多くの学生が一斉に行動するタイミングでは、彼女を探そうと視線を縦横無尽に動かします。

そういった場面で、他の同級生、校舎、車道を走る自動車などは、単なる背景であり、彼の眼には実質映っていないはずです。

上述の例から連想できるように、アイトラッキングでは、被験者が

「どこを」「何を」見ているのか(対象)

「どのくらい」見ているのか(時間・期間)

「どういう風に」見ているのか(距離感、順序、遠近感)

といったことを把握します。

A君の眼は、「Bさんを」「授業中もそれ以外の学校にいる時間も、できるだけ長く」「他のものに意識が及ばないほど集中して」見ていたといえましょう。

 

一方、アイトラッキングでは、被験者が

「どうして、対象を見ているのか」(理由)

「何を考えているのか」(思考)

「どういう風に思っているのか」(感情)

といったことは把握できません。

A君はBさんが知り合いに似ているから見ているだけかもしれないですし、Bさんのことを見ながら全く別のことを考えているかもしれないですし、Bさんのことが憎くて仕方ないかもしれないですし、そういった「A君の頭の中(主観)」については、やはり仮説を組み立てるより他にないということです。

アイトラッキングの活用実績

アイトラッキングはまだ発展途上の技術ですが、すでに先進的な事例も報告されております。そのいくつかをご紹介いたします。

・自動販売機の商品配置の最適化

視線行動の法則として、「Zの法則」というものがあります。これは、主に消費者行動に言及したもので、消費者の視線が

上段左側→上段右側→下段左側→下段右側

と順番に移動することを示しております。

ダイドードリンコ株式会社は、同法則に従い、主要商品である「ブレンドシリーズ」を2012年秋までは上段左上に配置してました。

しかし、アイトラッキングを利用し、消費者の視線行動を調査したところ、同社の自動販売機については、下段の方がよく見られていることがわかり、2013年から配置を下段に変更しています。

その結果、同年の上半期に前年比1.2%の売上増という実績を残したそうです(中西崇文(2015年「『スマートデータ・イノベーション』[キンドル版],第3章,4項,4段落」。

・スポーツのノウハウの取得

アイトラッキングは、スポーツのようなプロフェッショナル性の高い分野にも適用できるといわれています。

例えば、

・テニスプレーヤーがプレー中にどのような視線の動きをしているのか

・サッカーのペナルティキックにおいてゴールキーパーはキッカーのどこに視線を向けているのか

・野球の打者がピッチャーの動きのどこに注目してボールを待っているのか

などアスリートの目の動きからわかるノウハウを後続の選手育成のための知見に昇華するといったことです(井口裕右.“アイトラッキング技術が産業にもたらす新たな世界とは –無意識の動きを可視化する”.CNET Japan.2016.http://japan.cnet.com/sp/target2020/35079371/、(参照2016-12-29))。

・店頭POPの効果測定

お店に行けば、様々なPOP(販促のための広告媒体)が存在していますが、詳細な効果測定は難しかったのが実情です。

アイトラッキングは、そうした課題への解決策も提供しております。

・調査モニターによる店内での買物の際の視覚データや、「商品を実際に手に取る」「顔を寄せて商品説明を読む」といった店頭での行動を機械的に記録

・複数の調査モニターの行動経路(トラフィック)や、商品との接触地点等のデータをもとに、入口から商品への導線の整備、売場のレイアウトの最適化、カテゴリ・ゾーニング(商品区画)の見直しなどを実施

といったことが実際に行われております。

アイトラッキングのさらなる応用

2016年は「VR(仮想現実)元年」とも評されておりますが、その象徴的な商品・サービスの一つが「ヘッドマウントディスプレイ」でしょう。

日本でも、PlayStation®VRの発売などによってかなり話題となりましたが、ヘッドマウントディスプレイを用いたゲームの発達にアイトラッキングの技術が大きく寄与しているのです。

「コントローラーを手に持ってゲーム」という従来のプレイスタイルは大きく変容しつつあり、シューティングゲームであれば、視線を向けた先に銃口が瞬時に移動する、といった技術がすでに商品化されております。

また、IOT(モノのインターネット)とアイトラッキングの関係性も非常に深いと言えます。

IOTは全てのモノがインターネットにつながること意味しますが、特に着目されているのが、障がい者の方向けの福祉設備・機器の開発です。操作画面の文字列・グラフィック等を見るだけで、

・文章の記載

・音声を発信しての会話

・メール送信、SNSへの投稿

等が可能になるのです。

まとめ

この記事では、「ライバルに差をつけられる!アイトラッキングの基礎知識」について言及いたしました。

アイトラッキングという言葉自体、まだ耳馴染みがないという方も恐らく少なくないことでしょう。

しかし、アイトラッキングの技術は着実に進化しており、近い将来、私たちの生活を大きく変えてしまう可能性があるものです。

それだけに、早い段階で正確に理解し、最新情報をしっかりキャッチアップしていきたいですね。

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