こんにちは、WEBマーケティング事業部の片岡です。

Google Analyticsでレポートを作ることは出来ても、サイト改善にどのように活用すればよいかわからない、という方は少なくないと思います。

今回は、WEBマーケティングの最前線で活躍するWEBアナリストが、アクセス解析データから、どのようにサイトの改善ポイントを導き出しているのか。

その具体的なノウハウを公開していきます。

コンバージョン率改善のためのアクセス解析術

はじめに

今回の解析は、2ステップ型・マルチエントランス型のマーケティングサイト、つまり、

・反響(お問合せ、資料請求、来店予約等)獲得が主目的のサイト

・非ECサイト(通販に限らず、WEB上での決済獲得を目的としない)

・非LP

を満たすサイトを対象としてお話します。

また、アクセス解析にも種々の目的がありますが、今回は「コンバージョン率の改善」の1点に絞ります。

(言い換えると、アクセス数を伸ばすための解析ポイントは割愛します)

解析の基本は「分解」

「解析」の「解」は「ほどく」

「解析」の「析」は「とく」

どちらも「ばらばらに分解する」という意味です。

概観(サマリー)を眺めていても、本当のボトルネックはわかりません。かといって、ミクロなデータばかりを見ていても、課題の本質が見えてきません。

アクセス解析全般に言えることですが、「大きな課題から、順序立てて分解していく」ことが最大のポイントです。

分解1 PCとスマートフォン

まず、「コンバージョン率が低い」という課題を2つに分解しましょう。

分解の方法はいくつか考えられますが、スマートフォンを取り巻く状況の変化が目まぐるしい昨今においては、まず、

・「PCのコンバージョン率が低い」

・「スマートフォンのコンバージョン率が低い」

の2つに分解すべきでしょう。

ここで重要なのは、優先度付けです。

例えば、スマートフォンからのセッションが全セッションの60%を締め、スマートフォンからのコンバージョン率がPCに対して大きく劣っている場合には、スマートフォンのコンバージョン率改善を優先すべきです。

一方、スマートフォンからのセッションが全体の20%を下回っている場合には、(コンバージョン率改善の観点からは)PCのコンバージョン率改善を考えるほうが、期待値が高いといえます。

以下の分析は、上記で優先度が高いと判断したデバイス(PCまたはスマートフォン)でフィルタをかけた上で(アドバンスドセグメント)行うのが、より効果的です。

分解2 フォーム突入率とフォーム完了率

(PCないしスマートフォンの)「コンバージョン率が低い」という課題は、

・フォーム突入率が低い

・フォーム完了率が低い

の2つに分解できます。

ここでは、

フォーム突入率 = フォームのページ別セッション ÷ セッション数

フォーム完了率 = コンバージョン数 ÷ フォームのページ別セッション

と考えます。

なお、「お問合せ」「来店予約」「資料請求」など、サイト内に複数のフォームが存在する場合には、全てのフォームのページ別セッションを合算します。

すると、

コンバージョン率 = フォーム突入率 × フォーム完了率

となるため、「コンバージョン率が低い」ということは、必ず「フォーム突入率が低い」か「フォーム完了率が低い」のどちらかということになります。

どちらがより優先度が高いかは、以下を参考にしてください。

一般に、コンバージョン率1%のサイトであれば、フォーム突入率10%、フォーム完了率10%が基準値になります。

分解3−1 直帰傾向と滞留傾向

分解2で「フォーム突入率が低い」と判断された場合について解説します。

「サイトを訪れたのに、フォームに入らない」という状況は、以下の2つに分解できます。

・そもそもサイトに興味を持ってもらえず、ほとんどページが見られていない(直帰傾向)

・ページは見てもらえているが、フォームに入らない(滞留傾向)

この2つは、フォーム突入率と完了率ほど明確に数値化できるものではありませんが、直帰率と平均PVが指標となります。

直帰率60%以上、ないし平均PV3.0未満であれば直帰傾向、ともに該当しなければ滞留傾向と言えます。

※入り口ページの多くをLPや、サイトの趣旨と直接関係のないコンテンツ(純粋なブログなど)を占める場合、そのセッションを除外(フィルタ)した上で計算した方がより実態に近いといえます。

直帰傾向が強い場合、入り口ページのファーストビューやページ間動線を改善すべきであると判断できます。

滞留傾向が強い場合、対策すべきはフォーム動線、反応装置(アクションボタン等)やクロージングコンテンツといえます。

分解3−1−1 直帰傾向が強い場合

 

直帰率をランディングページで「分解」してみましょう。

閲覧開始数が多く、かつ、直帰率の高いページが、最も優先的に改善すべきページです。

分解3−1−2 滞留傾向が強い場合

閲覧ページで「分解」してみましょう。

閲覧数が多く、ページの価値が低いページや、離脱率の高いページが、最も優先的に改善すべきページです。

この改善を行う際には、「ページの価値が高いページ」や「フォームへの遷移元上位ページ」が参考になります。

分解3−2 フォーム完了率の分解

フォーム完了率が低い場合の対策は、エントリーフォームの改善に尽きます。

但し、サイト内に複数のフォームが存在する場合、フォーム完了率を、エントリーフォーム別に分解することができます。

例えば、「来店予約」フォームの完了率は高いが、「資料請求」フォームの完了率が低い場合、資料請求フォームの改善の優先度が高いと言えます。

「分」ければ「解」る

まとめ

いかがでしたでしょうか?

データを分解する方法は上記で紹介したものに尽きませんが、上位の課題から、1つ下の課題へ、順を追って分解していくことで、改善すべきポイントを的確に判断することができます。

サイトの症状が正確に見えたら、次は適切な処方箋です。

これは、引き出しの多さがモノを言います。

当サイトのサイト改善に関する記事を参考に、また、優良サイトの良いところをどんどんベンチマークして、打てる手を増やしていきましょう。

(上級編)2つの「分解」と優先度付け

勘の良い人は、この記事の「分解」という言葉が、2つの意味で使われていることに気づかれたかもしれません。

ひとつは、フォーム突入率と完了率、直帰傾向と滞留傾向のような、「掛け算」のもの。

横軸、つまり「メトリクス(指標)」の分解です。

もうひとつは、PCとスマートフォン、来店予約フォームと資料請求フォームのような、「足し算」のもの。縦軸、あるいは「ディメンション」の分解です。

アクセス解析においては、後者のディメンションの分解を行うケースが多くを占めてきますが、ここで重要なのは、適切な優先度付け、「改善期待値」の分析です。

例えば、以下のようなデータがある場合、どのランディングページを優先的に改善すべきでしょうか?

(各ページの閲覧開始数はコントロールできないものとします)

閲覧開始数コンバージョン率
ランディングページA10,0000.90%
ランディングページB8,0000.70%
ランディングページC5,0000.60%

閲覧開始数のみを見ていても、コンバージョン率だけを見ていても、判断を誤りがちです。

仮に、他のページの実績等から、いずれのランディングページも、コンバージョン率を1%までは短期間に改善可能だと判断できるとします。

すると、

現在のCVCVR 1%の場合改善期待CV
ランディングページA90100+10
ランディングページB5680+24
ランディングページC3050+20

ランディングページBを改善するのが、もっとも優先度が高いと判断できます。

もちろん、仮に2%までの改善が可能と考えれば、ランディングページAが最も優先度が高いことになるのですが、重要なのは、母数(セッション数やPV数)と指標(コンバージョン率や直帰率など)の両方を加味して、優先度付けを行う必要がある、ということです。

アクセス解析を行う際には、この視点を忘れないようにしましょう。

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